軽量ジグ単特化型、どストライクアジングロッド~ドリームコンスリー 56UL 茉インプレッション~(山下信吾)
「何でもロッド」として知られるドリームコンスリーシリーズの中でも異色の存在? アンダー1gを操ることに特化したアジングロッド「ドリームコンスリー 56UL 茉」を、アジング歴が無駄に長い私なりにインプレッションしたいと思う。

-56ULの特長-
アンダー1gを意のままに操ることをコンセプトに作られたロッド。ロッド自重は48gと非常に軽量、ソリッドティップは軽量ジグヘッドを感じるためのちょうど良い張り具合で、間違いなくコンセプト通りのロッドに仕上がっている。
しかも、軽さや感度に全振りしていても強度が犠牲になってしまうことはなく、尺~ギガクラスでも全く問題なく戦え、そこはドリームコンスリーシリーズの特長である「軽量かつ強い」をしっかりと踏襲している。

-北陸のナイトアジング-
北陸での秋から冬にかけてのナイトアジングは、非常にゲーム性が高く、やり込むほどに面白い釣りだと思う。マヅメ時に一気に爆発する釣りもまた格別だが、夜のじっくりとした展開には、噛めば噛むほど味が出るスルメのような深い楽しみがある。
釣りはまず、漁港単位でのエリア選びから始まる。次に、漁港内でアジの気配を探し、釣れるポイントを見つけたら(ここまで到達せずにランガンで終わることも多々…)、今度は数を伸ばすためのパターン探し。
この一連の流れはとても戦略的で、まさに思考と感覚を駆使したゲームのようだ。
そして、その戦略を組み立てるために必要なのが、海からの微かな情報を明確に伝えてくれる「繊細なロッド」だ。

-操作感と感度-
操作感や感度を高く維持するためにはラインの状態が非常に重要で、どれだけ高感度なロッドであっても海中を探っている時にラインがふけ気味になってしまうと、情報はボヤけてしまう。
56ULは軽量ジグヘッド(1.5gまで)を扱う上で、ラインテンションが常にコントロールしやすく、ティップからベリーにかけての硬さのバランスが本当に絶妙。
ティップは柔らかいが入りすぎることはなく、硬めでもテンションを張り過ぎることもない。
この「ちょうどいいセッティング」と合わせて、ロッド自重も軽いことから、1g前後のジグ単を自分の「指」の延長のような繊細な感覚で操ることができている。
-アジからの情報-
アジからのコンタクトは実に多彩で、その一つひとつが次の一手を導くための重要な情報源になる。
明確なバイトだけでなく、浅く触れるようなアタリ、乱暴なアタリ、擦れるような違和感、じゃれるような感触──挙げればキリがないほど多彩だ。
56ULは、そうした微細なアタリ方の違いを鮮明に伝えてくれる。
その情報をもとに次のアプローチを組み立てていくことで、より深くアジングを楽しめて釣果にも繋がっていく。
まさに“戦略性を楽しむための道具”として機能しているロッドだ。
個人的な本音を正直に言ってしまえば…
情報量に乏しいロッドを使用している時や、特に考えずに釣れるような状況ですと、例えたくさん釣れたとしても、あまり楽しくはありません(笑)。

-こんな方にオススメ!-
56ULは、ただアジを釣るだけでなく、アジングそのものを組み立てて楽しみたい人に強くオススメしたい。
海やアジからの情報を元に状況を読み解いていく──
そんな“情報を釣る”タイプのアングラーにとって、このロッドは間違いなく武器になる。
また、メインフィールドが軽量ジグヘッドを多用するような環境や、アジのわずかな反応を拾って掛けていくような釣りを好む方には、特にマッチすると思う。
一方で、2gを超えるジグヘッドが必要だったり、飛距離が必要なエリアで使うには、やや繊細すぎると思う。(そのようなエリアは62Lがオススメ!)
しかし、感度や情報量、ロッドとの一体感を何より重視するタイプのアングラーにとって、56ULはその感覚を最大限に広げてくれる一本だ。(山下信吾)




